「何を買うか」を調べる前に、立ち止まった
投資を始めようと思ったとき、最初にしたのは検索でした。
「初心者 おすすめ 投資信託」
「NISA どれを選ぶ」
何時間も調べて、画面の中で迷い続けました。
けれど、ある日ふと気づいたんです。
どれを買うか、ではなく──
なぜ買うのか、を決めていなかったことに。
そこから少し、考え方が変わりました。
「目的」がないと、数字に振り回される
投資の本には、必ず「目的を決めましょう」と書いてあります。
最初は正直、「そんなこと言われても」と思っていました。
でも、試しに自分の中で言葉にしてみたんです。
このお金は、何のために動かすのか。
すると、少し見えてきました。
たとえば、私の場合。
老後のため、というより──
「選べる人生でいたい」という気持ちがありました。
急に環境が変わっても、少し立ち止まる余裕が持てるように。
誰かを応援したいと思ったとき、少しでも支えになれるように。
それが、私にとっての投資の理由でした。
目的は人それぞれです。
子どもの教育費かもしれないし、旅行のためかもしれない。
ただ、自分の中で「なぜ」があると、
迷ったときに戻ってこられる場所ができます。
「いつ使うか」を決めると、心が落ち着く
もうひとつ、決めておいてよかったのが期間です。
「このお金を、いつ使う予定なのか」
それを決めると、数字の見え方が変わります。
投資には波があります。
上がる日もあれば、下がる日もある。
けれど、10年後に使うお金なら、明日の値動きは関係ありません。
反対に、3年後に使う予定があるなら、
あまり変動が大きいものには置いておけない。
時間の使い方で、投資の”置き場所”が変わる。
そう考えるようになってから、数字の上下に過剰に反応しなくなりました。
お金に、どんな時間を過ごさせるか。
それを決めることが、投資を始める前の準備なのだと思います。
目的と期間で、選択肢が絞られていく
「目的」と「期間」が決まると、
自然と「何を選ぶか」も見えてきます。
たとえば──
数年以内に使う予定がある → 預金や定期預金
急な出費に備えたい。
値動きのリスクは避けて、確実に置いておきたい。
5〜10年後に使いたい → つみたて投資信託
少し時間があるから、成長を待つことができる。
毎月コツコツ積み立てて、ゆっくり育てていく。
10年以上先に使う → 長期の世界株式投資
時間を味方にできるから、短期の波は気にしない。
世界全体の成長を信じて、少しずつ増えていくのを見守る。
これは正解ではなく、私なりの整理です。
けれど、こうして時間軸で考えると、
「どれが正しい」より「自分に合っている」が見えてきます。
「増やす」より「使う」を考える
最近、投資の目的は「増やすこと」だと思わなくなりました。
もちろん、増えてくれたら嬉しい。
けれど、それよりも──
未来の自分が、安心して使えるお金を整えること。
それが、本当の目的なのかもしれません。
投資を続けていると、ニュースの見方が変わります。
金利が上がったと聞けば、「これは自分にどう影響するんだろう」と考える。
円安のニュースを見て、「外国株との関係は?」と調べてみる。
そうやって、世界の動きが少しずつ“自分ごと”になっていく。
投資は、お金を通して社会を見る練習でもあるのだと思います。
お金の”行き先”を、自分で決める
投資を始めたばかりの頃、私は「何を買うか」ばかり考えていました。
でも今は、少し違って見えます。
このお金に、どんな未来を歩ませたいか。
それを考えることが、投資の最初の一歩なのだと。
目的を決めると、投資が“手段”になります。
期間を決めると、時間が味方になります。
そして、その二つが決まると、
数字ではなく「未来の自分」を信じられるようになる。
投資は、未来への参加。
だからこそ、その”行き先”を決めてから、
お金を送り出したいと思うのです。
