「下がったとき」のことを、考えてみる
投資について調べていると、必ず出てくる場面があります。
「相場が下がったとき、どうするか」
スマホを開いて、数字が減っているのを見たら。
「このまま下がり続けたらどうしよう」
「今のうちに売ったほうがいいんじゃないか」
きっと、そんなふうに考えてしまう気がします。
だからこそ、下がったときの向き合い方を、
あらかじめ知っておきたいと思いました。
調べてみると、いくつかの考え方があることが分かってきました。
下がること自体は、悪いことじゃない
まず、理解しておきたいと思ったのは──
相場が下がること自体は、悪いことではないということ。
株価や投資信託の価格は、
毎日のように上がったり下がったりするそうです。
それは市場の自然な動きであって、
異常なことでも、失敗でもない。
たとえば、天気のようなもの。
晴れの日もあれば、雨の日もある。
雨が降ったからといって、「天気が壊れた」とは言いませんよね。
投資も同じなのかもしれません。
上がる日もあれば、下がる日もある。
その波を繰り返しながら、長い時間をかけて成長していく。
下がったこと=失敗と考えてしまうと、
その瞬間に心が折れてしまいそうです。
けれど、「これは自然な波の一部」と思えれば、
少しだけ冷静でいられるかもしれません。
「安く買える」って本当にできるのか
つみたて投資について調べていると、
よくこんな説明を見かけます。
「下がっているときは、安く買えるチャンス」
理屈は分かります。
毎月1万円で投資信託を買い続けていたら、
価格が下がったときは、たくさん買える。
ドルコスト平均法の考え方で言えば、
下がっているときに買い続けることで、
平均購入価格を下げられる。
そして、いつか相場が戻ったとき、
その分だけ利益が大きくなる可能性がある。
でも、本当にそう思えるんだろうか。
実際に数字が減っていくのを見たとき、
「チャンスだ」なんて冷静に思えるのか。
たぶん、頭では分かっていても、
心がついていかない気がします。
「安く買える」というのは、
あとから振り返ったときの言葉なのかもしれません。
「売る理由」がないなら、触らない
調べていて、いちばん納得できたのは──
「売る理由がないなら、何もしない」という考え方でした。
相場が下がったとき、本当に売る必要があるのは、
たとえばこんな場合だそうです。
- 急に現金が必要になった
- 投資の目的が変わった
- この投資信託が信じられなくなった
けれど、もし「ただ数字が減っているから不安」という理由だけなら、
慌てて売る必要はないのかもしれません。
下がっているときに売ってしまうと、
損失が確定してしまう。
反対に、持ち続けていれば、
いつか相場が戻る可能性もある。
売らなければ、損は確定しない。
No.27で整理したこの考え方が、
下がったときの支えになるのかもしれません。
「止まり木」を持っておく
とはいえ、ずっと下がり続けたら、
やはり不安になると思います。
「このまま戻らなかったら……」
そう考えてしまうのは、自然なことだと思います。
だからこそ、大切なのは──
「止まり木」を持っておくことなのかもしれません。
たとえば──
- 生活費の3〜6ヶ月分は、貯金として確保しておく
- 投資に回すお金は、しばらく使わないお金だけにする
- 積立金額は、無理のない範囲に設定する
こうした“安全弁”があれば、
相場が下がっても、慌てて売る必要がなくなります。
心の余裕が、冷静さを保つ。
それが、下がったときに続けるための土台なのだと思います。
「見ない」という選択肢
もう一つ、調べていて意外だったのが──
「見ない」という選択肢があることでした。
毎日資産状況を確認していると、
数字の上下に一喜一憂してしまいそうです。
下がっているのを見るたびに不安になり、
その繰り返しが心を疲れさせてしまう。
けれど、つみたて投資は「長期」が前提です。
10年後、20年後に使うお金なら、
今日の数字は、ほとんど意味がありません。
だから、下がったときはあえて見ない。
自動積立の設定をして、
半年に一度くらいチェックするだけにする。
「見ない」は、逃げではなく、
感情を守るための戦略なのだと知りました。
淡々と、機械的に、続けていく。
それが、長く続けるための知恵なのかもしれません。
過去は「戻ってきた」ことを教えてくれる
相場が下がったとき、少しだけ支えになりそうなのが──
過去の歴史を知ることです。
たとえば、世界株式の歴史を調べてみると、
何度も大きな下落があったそうです。
リーマンショック、コロナショック──
そのたびに「もう終わりだ」と言われました。
けれど、そのすべてで相場は回復しています。
下がったあと、数年かけて元の水準に戻り、
さらにその先へ成長していきました。
もちろん、未来がどうなるかは誰にも分かりません。
けれど、「戻ってきた」という事実は、
下がったときの小さな支えになる気がします。
世界経済全体が成長を続ける限り、
一時的な下落は、長い時間の中では「通過点」。
そう信じられるかどうかが、
投資を続ける鍵なのかもしれません。
実際にそうできるかは、分からない
ここまで調べて、いくつかの考え方が見えてきました。
- 売る理由がないなら、持ち続ける
- 不安なら、見ない期間を作る
- 心の余裕を保つために、安全弁を持っておく
でも、正直に言うと──
実際にそうできるかは、分かりません。
「安く買えるチャンス」と頭では分かっていても、
数字が減っていくのを見たら、きっと怖くなる。
「見ない」と決めていても、
つい確認してしまうかもしれない。
それでも、こうして考えておくことに、
意味はある気がします。
「そのときどうするか」を決めておくだけで、
少しだけパニックにならずに済むかもしれないから。
投資で大切なのは、
完璧なタイミングを見計らうことではなく、
感情に流されずに続けること。
相場が下がったとき、それは「試練」というより、
「自分を知る機会」なのかもしれません。
自分がどれくらいのリスクを受け入れられるのか。
どんな投資が自分に合っているのか。
その答えを、少しずつ見つけていく。
こうして考えておくだけで、
少しだけパニックにならずに済むかもしれない。
不安が、少しだけ小さくなる気がします。
焦らず、比べず、淡々と。
それが、もし始めるなら私にとっての「ちょうどいい投資」だと思っています。
