「元本割れ」という言葉に、どうしても怖さを感じてしまう
投資を始めようと思ったとき、いちばん怖かったのが──
「元本割れ」という言葉でした。
「投資したお金が減ってしまうかもしれない」
「元本が割れる」というのは、つまり損をするということ。
そう聞くと、どうしても「失敗」のように感じてしまって、
なかなか一歩を踏み出せませんでした。
元本割れとは「今、売ったら」という状態
元本割れとは、簡単に言えば──
投資したお金より、今の評価額が下回っている状態のことです。
たとえば、10万円を投資信託に入れたとします。
数ヶ月後、その評価額が9万円になっていたら、
それが「元本割れ」している状態です。
「含み損」と「確定損失」の違い
投資の世界には、2種類の「損」があるそうです。
① 含み損(ふくみぞん)
まだ売っていない状態での、”一時的な”マイナス。
値段が戻れば、損ではなくなる可能性がある。
② 確定損失
実際に売って、損が”確定”した状態。
もう戻ることはない。
たとえば──
10万円で買った投資信託が、9万円に下がった。
→ これは「含み損」。まだ売っていないので、確定していない。
そのまま持ち続けて、数年後に11万円に戻った。
→ 含み損は消えて、利益に変わった。
9万円のときに不安になって売ってしまった。
→ これが「確定損失」。1万円の損が確定した。
売らなければ、損は確定しない。
この感覚を持てるかどうかが、
投資を続けられるかどうかの分かれ目なのかもしれません。
「値下がり」は、失敗じゃない
元本割れを「失敗」だと思っていたとき、
私は値下がりすることをとても恐れていました。
「減ったら、どうしよう」
「もし戻らなかったら」
その不安が、投資を始める足を引っ張っていました。
けれど、調べていくうちに気づいたことがあります。
値下がりは、市場の自然な動きであって、失敗ではない。
株価や投資信託の価格は、上がったり下がったりするもの。
それが「リスク」であり、「変動」の意味です。
もし値下がりを「失敗」だと感じてしまうと、
下がるたびに心が折れて、続けられなくなってしまう。
けれど、「これは自然な波の一部」だと理解できれば、
少しだけ、心が落ち着くのではないでしょうか。
時間が、元本割れをやわらげてくれる
もうひとつ、調べていて驚いたことがあります。
それは──
長く持ち続けることで、元本割れのリスクが小さくなるということ。
短期間で見ると、株価は激しく上下します。
1週間で10%下がることもあれば、次の週に10%上がることもある。
けれど、10年・20年という長い期間で見ると、
その波が少しずつ平らになっていくそうです。
たとえば、世界経済全体を見れば、
短期的には上がったり下がったりしているけれど、
長期的には成長を続けています。
時間をかけることで、一時的な下落が”通過点”になる。
そう考えると、元本割れも少しだけ怖くなくなる気がします。
「今、売る理由」がなければ、焦らなくていい
元本割れしているとき、いちばん大切なのは──
「今、売る理由があるか」を考えることだと思います。
たとえば、こんな状況なら売ることを考えるかもしれません。
- 急に現金が必要になった
- 投資の目的が変わった
- この投資信託が信じられなくなった
けれど、もし「ただ数字が減っているから不安」という理由だけなら、
慌てて売る必要はないのかもしれません。
含み損は、売らなければ損ではない。
時間が味方してくれる可能性があるなら、
焦らず、待つことも選択肢の一つです。
元本割れを「経験」として受け止める
正直に言うと、私もまだ元本割れを完全に受け入れられているわけではありません。
数字が減ると、やはり不安になります。
「このまま戻らなかったら」と考えてしまうこともあります。
けれど、少しずつこう考えるようになりました。
元本割れは、失敗ではなく「経験」なのだと。
下がったときに、どう感じるか。
どう行動するか。
その練習をさせてもらっているのかもしれない、と。
投資は、増やすことだけが目的ではなく、
お金と向き合う練習でもあるのだと思います。
元本割れを経験することで、
自分がどれくらいのリスクを受け入れられるのか、
どんな投資が自分に合っているのかが、見えてくるのかもしれません。
「値下がり」と「失敗」を混同しない
元本割れについて整理してきて、いちばん大切だと感じたのは──
「値下がり」と「失敗」を混同しないことでした。
値下がりは、市場の自然な動き。
失敗は、間違った行動をしたとき。
元本割れしているからといって、
それが自動的に失敗になるわけではありません。
- 売らなければ、損は確定しない
- 時間をかければ、戻る可能性がある
- 含み損は、経験として受け止められる
この3つを理解しておくだけで、
元本割れへの恐怖が少しだけ小さくなる気がします。
投資は、完璧にはできないけれど、
理解しながら続けることはできる。
そんなふうに、少しずつ整理していければと思います。
